とがった石を拾いながら線路を歩いた
強く握ると手のひらから血が流れた
かさぶたが
誰かの薬になると信じて拾い続けた
お腹がすいたら石を食べた
違和感さえ感じることもないような旅路で
石と胃袋の重みで動けなくても歩いた
石のトゲで傷だらけの
かさぶたの意味すらわからない
傷だけ残った
線路の隣の草原を
あの子は誰かと手を繋いで歩いてく
甘くてフワフワな香りの服で
笑顔がよく似合って
誰かに笑いかけ
皆を笑顔にしてた
まるで愛で愛を増やすみたいに
僕は何を集めていたの?
とがった石に価値なんてないよ
今からこの傷癒せるかな
僕の手のひらではまるくならなかったこの石
ここで全部拾ったもの川に返そう
道をそれて川へ
川の澄んだ水が石をまるくするのか
とがった石
自然がまかせて だって
自然みたいな慈悲
もつのはムリかな
とがった石を握ったら
柔らかくてつなぎたくなる
甘い優しい手にはならない
傷だらけの手では
痛みで優しく繋げない
可哀想では救えないからとか
負で負に染まり
無駄だったよと
わかるその日のために
とがり石を大事にしてたの
痛みは知識と力になるけれど
満たされない
愛にならない
負から愛は生まれないなら
生み出すしかない
🤍大切🤍の魔法の小石をみつけて🔮